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歯周病菌が全身に?歯科で守る、口腔・全身の健康について!

投稿日:2025年10月8日

カテゴリ:スタッフブログ

みなさんこんにちは、歯科衛生士の外池です!

 

「最近歯茎から少し出血があるけど、痛くないから大丈夫」とそのままにしていませんか?

歯茎の炎症をそのままにしておくと歯周病が進行してしまうだけでなく、全身の健康にも影響があることが明らかになってきています!

 

そこで今回は、歯周病が身体の全身にどんな影響を与えるのか、歯周病と全身の関係についてご紹介していきます。

 

⚪️歯周病とは?

 歯周病は、歯の病気ではありません。

 歯を支えている骨と周りの組織の病気です。

 お口の中のプラーク、いわゆる「細菌の塊」が発生させる毒素によって歯茎に炎症が起こると、歯と歯茎の間の溝が深くなって、いわゆる「歯周ポケット」ができます。

 この歯周ポケットに細菌がどんどん入ってきてしまうと、炎症はより深い部分にまで広がります。すると、炎症は歯を支えている骨に近づき、骨が吸収されてしまいます。症状が進行するとともに歯がぐらぐらしてきて最終的には歯が抜けてしまうのです。

 

⚪️歯周病が全身に及ぼす影響

 そもそもなぜ歯周病が全身に深く関係しているのでしょうか?

 原因はお口の中の細菌にあります!

 歯周病によってお口の中で出血が起こると、そこから歯周病原性細菌が血流にのって全身に運ばれ、全身疾患の進行や増悪・発症の原因になります。

 

 また、歯周病が進行すると、歯がぐらぐらして噛みにくくなり、最終的には歯が抜けてしまうことがあります。すると、硬い食べ物が食べられず、やわらかい食べ物に偏った食事になりがちです。その結果、栄養バランスが崩れて体力や免疫力が低下し、糖尿病や心臓病などの全身の病気が悪化する恐れもあるのです!

 ここからは、歯周病と関係が深い全身の病気についていくつか見ていきましょう。

 

⚪️糖尿病

 歯周病と糖尿病の関係は深く、相互に悪影響を及ぼしています。

つまり、糖尿病になると歯周病が悪化し、歯周病が原因で糖尿病を悪化させるということです。

 

⚫︎血糖値の高い状態が続くと?

 白血球の機能が低下して免疫力が下がると歯周病原性細菌に抵抗する力も弱くなります。

 また高血糖によって血管が脆くなると、歯茎に必要な酸素や栄養が届きにくくなります。その結果歯周病にかかりやすく、悪化しやすく、治りにくいのです。

 

⚫︎インスリンの働きを邪魔する!?

 歯周病にかかると、サイトカインなどの炎症性物質や歯周病原性細菌のもつ内毒素が、血管内の血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを低下させてしまいます。

 

 実際に血糖コントロール状態を示すHbA1cの値が良いと、歯周炎のリスクは健常者と差がないことや歯周病治療を行うことによりHbA1cの値も改善すると報告されています。

 

⚪️骨粗鬆症

 骨粗鬆症は、骨密度が低下し、軽い衝撃でも骨折しやすくなる病気です。全身の骨が脆くなるとともに、歯を支えている周りの骨も脆くなります。

 

 特に閉経後の女性は、女性ホルモン(エストロゲン)が減少します。そのため、骨が脆くなると同時に歯周病が進行しやすくなります。

 

⚪️動脈硬化

 歯周病の炎症が進行すると、炎症性物質が血液にのって全身をめぐると、血管の内側で血液中の脂肪や白血球などがくっついて溜まり、血管が狭くなります。

 溜まったものが壊れると血栓をつくり、完全に血管を塞いでしまうことで、心筋梗塞や脳梗塞、狭心症などの命に関わる病気につながります。

 

⚪️早産と低体重児出産

 妊婦さんが歯周病にかかっていると、早産や低体重児のリスクが24倍であるという報告がされています。お口の中の歯周病原性細菌が血中に入り、子宮が刺激されて収縮が誘発されやすいことからいわれています。

 また、妊娠中は女性ホルモンの影響で歯茎が腫れやすかったり、唾液の分泌の減少、悪阻によって充分に歯磨きができなくなることで炎症を引き起こしやすい環境にあります。

 

⚪️関節リウマチ

 関節リウマチとは、からだの免疫の仕組みに異常が起きて、自分自身のからだを攻撃するものができてしまうことにより、関節に腫れや痛みを伴う炎症が起こる病気です。

 歯周病と関節リウマチは、病態の共通点が多くあります。

⚫︎どちらも炎症性の病気です

⚫︎関節リウマチになると歯磨きが難しくなる

 関節リウマチになると指の関節の変形や腫れなどにより手指が動かしにくくなり、歯ブラシを持つことや細かい動きで丁寧に歯を磨くことが難しくなってしまいます。そのため歯周病が重症化しやすくなってしまうのです。

⚫︎Pg菌が関係!

 これまでのたくさんの研究結果から関節リウマチにかかっている人は歯周病になりやすいといわれていますが、歯周病が関節リウマチを進行させる可能性もあります。

 歯周病原性細菌であるPorphyromonas gingivalis(Pg)がもつ酵素が関節リウマチを起こす自己抗体を増やす可能性があるからです。

 

 また、関節リウマチと歯周病の両方にかかっている患者さんに歯周病治療を行った研究によると、そのほとんどで歯周病を治療したら関節の腫れや痛みが減り、関節リウマチの検査値が下がったと報告されています!

 

⚪️誤嚥性肺炎

 誤嚥とは、食物や唾液を飲み込んだ時に本来食道にに入るはずが誤って気管に入ってしまうことをいいます。その時にお口の中の細菌が肺に入り込んでしまうことで起こる肺炎です。

 

⚫︎主な原因菌は「口腔内細菌!」

 誤嚥性肺炎から見つかる細菌の多くは、歯周病原性細菌であると言われています。

⚫︎高齢者に起こりやすい

 1. 食物や唾液が気管に入りそうになった時に咳をして異物を外に出そうとする反射(咳反射)の低下により誤嚥しやすいです。

 

 2.唾液の分泌量が少なくなりお口の中の自浄作用が低下し、お口の中の細菌や食物残渣がお口の中に多量に存在することが多いため、気管内に流れ込む危険性が高いです。

 

 3. 脳血管障害をもっていると、それによって飲み込む力(嚥下機能)が低下し、誤嚥性肺炎を起こすリスクが高まります。

 

 そのため、歯周病治療やお家のケアでお口の中の細菌数を減らすことは、肺炎の発症率を著しく低下させ、肺炎による死亡率も低下させるのです!

 

⚪️歯周病予防のためにできること

 ☑︎毎日の正しい歯磨き

 ☑︎フロスや歯間ブラシの併用

 ☑︎生活習慣の見直し(食生活、ストレス、禁煙)

 ☑︎歯科医院での定期的なクリーニング

お口の健康は、全身の健康を守るためことにも繋がります。

ぜひお気軽に当院へご相談ください。

 

歯周病治療|グラグラな歯も抜かない歯周病認定医|船橋駅3分の川手歯科

執筆 : 歯科衛生士 外池 美穂

 

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