歯周病についてのQ&A!なぜ歯周病になるの?
投稿日:2025年6月14日
カテゴリ:スタッフブログ
みなさんこんにちは!歯科衛生士の牛坂です♪
梅雨の季節で肌寒い時期が続きましたが、ご体調はお変わりないでしょうか。
今回は歯周病とは何か、歯周病についてのいくつかの質問をお答えしていきます!
まず歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性の疾患で、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
プラーク(歯垢)の攻撃力と歯茎の抵抗力の関係で歯周病が発症するかが決まります。
そもそもプラークとは細菌のかたまりでお口の中に長く存在するほど、攻撃力が高まります。
プラークの攻撃力
→ 長期間みがき残されたプラークの成熟、歯ぐきからの出血による歯周病菌の増加、喫煙によるプラークの硬化など
歯茎の抵抗力
→ 不十分な歯みがき、加齢や肥満・病気、疲労やストレスなどによる免疫力の低下、喫煙など
これらをてんびんにかけた時に、プラークの攻撃力が高まると歯周病が発症します。
ここからはいくつかのQ &Aです!
Q、若い人は歯周病になりにくい?
A、子どもは基本的に歯周病にはなりません。18歳未満のお口からは歯周病菌であるPg菌がほとん ど検出されないからです。また20代の頃は体力も免疫力もあるので歯ぐきの抵抗力が強いので歯用病にはなりにくいです。多少歯ぐきから血が出ても骨はそこまで減らずにすみます。しかし30代以降になると、重度の歯周病の人が増えていきます。米国の調査では、「36歳」が重度歯周病の発症時期のピークとなっています。
Q、血が出たら歯磨きしないほうがいい?
A、歯みがきしていて血が出たとき、強く磨きすぎたかと思ってこれ以上磨かないでおこうと歯みがきを控える方もいますが、それは間違いです。歯ブラシが歯ぐきを傷つけているわけではない歯みがきをしていて血が出るというのは、その場所が歯周病になっている(またはなりかけている)サインです。
歯周病菌は、血液が大好物で歯ぐきから出た血液中のタンパク質と鉄(ヘム鉄)を栄養にして増殖して強くなります。なので歯ぐきから血が出たときは、出血がなくなるように、歯に付着したプラークを落とさなくてはならないのです。
Q、歯周病はなぜ痛くない?
A、虫歯はズキズキ痛みますが、歯周病は痛みなく進行します。大きく分けて2つあります。
1、歯ぐきの傷口から体液(血液)が外に出るため痛くない
手足を何かに強くぶつけて腫れたとき、ドックンドックンと痛むと思います。心臓から血液が送り込まれたときに
①ぶつけたところで白血球などを含んだ体液(浸出液)が急激に分泌される
②その体液が水圧のように内部の圧力を高める
③それにより神経が圧迫刺激され、ズキッと痛む
という仕組みになっています。
しかし歯周病になっている歯ぐきの場合、歯周ポケットの傷口(濃面)から、血液とともに体液が出ていきます。そのため内圧が高まらず、神経を圧迫しないので痛くありません。
2、歯周病原菌が神経の受容体を壊すので痛くない
痛みは通常、神経を通じて脳に知覚されます。ですが、歯周病菌の出すタンパク分解酵素は、痛みを感じる神経のレセプター(受容体)を壊してしまいます。そのため、歯周病菌が進むほど痛みを感じなくなります。
体の不調は、通常は痛みがあるかないかで判断されますが、歯周病にはその常識は通用しません。
だからこそ、歯医者さんで歯周病の検査を受けることは重要です。
歯周病のいちばんの原因は、長い間みがき残されたプラーク(細菌のかたまり)です。しっかり磨いているつもりでも、歯ブラシの毛先がうまくプラークに当たっていなかったところがある可能性があります。みがき残されたプラークは、時間とともにその攻撃力を高めていきます。そうしたプラークを落とすには歯並びに合った歯ブラシの動かし方、フロスや歯間ブラシの使い方を習得する必要があります。
「歯周病になってしまった場所プラークが長時間磨き残された場所」なのでプラークを落とす、新たなプラークを溜めないことが1番重要です!
そのためにはまず自分自身のセルフケアのレベルアップと歯医者さんのプロフェッショナルケアの2つが大事なので、健康なお口を保てるようにサポートしていきます!
■ 他の記事を読む■