「歯がしみる」は虫歯じゃない?NCCL(歯の根元の削れ)の本当の理由!
投稿日:2026年3月3日
カテゴリ:スタッフブログ
こんにちは(^^)歯科衛生士の笠原です!
少しずつあたたかくなってくると、外に出たくなりますよね!私は春になると、近くの公園をゆっくり散歩したり、自然豊かな場所に行きたくなります!自然の色や香りを感じながら、心も体もリフレッシュできる時間を大切にしたいなと思っています。皆さんはどんな春を過ごしますか?
新生活が始まるこの時期は、お口の環境を見直す良いタイミングでもあります。環境の変化は生活習慣の変化にもつながります。ぜひこの機会に、ご自身のブラッシングや食習慣を振り返ってみてください!
「NCCL(非う蝕性歯頸部実質欠損)」についてお伝えします!
NCCLとは、むし歯ではないのに歯の根元がくさび状に削れてしまう状態のことです。
鏡で見ると、歯と歯ぐきの境目がえぐれたように見えることがあります。
症状としては、冷たいものがしみる、歯ブラシが当たると痛い、風が当たると違和感があるなど、知覚過敏(しみること)に似た症状が出ることもあります。
「強く磨いているから削れたのでは?」と思われがちですが、実はそれだけが原因ではありません。
大きなポイントになるのは「歯ぐきの位置」です。
歯ぐきが下がり、歯の根っこ(象牙質)が露出すると、その部分は歯の1番外側を守っているコーティング(エナメル質)よりもやわらかいため、摩擦や酸の影響を受けやすくなります。
つまり、歯ぐきが下がらないことがNCCL予防の第一歩なのです。
なぜ歯ぐきは下がるのでしょうか?
主な理由は2つあります。
①歯周病
歯周病で歯を支える骨が減ると、それに伴い歯ぐきも下がります。治療によって炎症が改善すると腫れが引き、結果として退縮が目立つこともありますが、これは歯周環境が整ったサインでもあります。
②もともと骨や歯ぐきが薄い場合
特に前歯の表側は骨が薄いことが多く、そこに強いブラッシング刺激が加わると退縮が起きやすくなります。矯正治療によって歯の位置が変わった場合にも、骨の外に歯根が近づき、同様のリスクが高まることがあります。
さらに近年では、歯ぎしりや食いしばりによる力の影響も指摘されています。
強い咬合力が歯頸部に集中することで、歯質にストレスが加わり、欠損が起こりやすくなることがあります。こうした力の問題も含めて総合的に評価することが大切です。
実際に診療室でも、「最近しみるようになった」という方のお口を拝見すると、特定の歯の根元だけが削れているケースがあります。よくお話を伺うと、「同じ場所から磨き始めている」「横に大きくゴシゴシ動かしている」という習慣が見えてきます。強さよりも“動かし方”が影響していることが多いのです。
予防のポイントは3つあります!
①定期的なチェック
欠損が昔できたものなのか、今も進行しているのかを見極めることが大切です。
当院では口腔内写真を活用し、変化を一緒に確認しています。目で見ることで、ご自身の状態を客観的に理解でき、セルフケアへの意識も高まります。
②磨き方の見直し
まず確認したいのは「どこから磨いていますか?」ということです。
ブラッシングは無意識で行っている方が多く、いつも同じ場所から始めがちです。最初に磨く部分は時間が長くなる傾向があるため、欠損がある部位を磨く際は“丁寧に、でも磨きすぎない”ことが大切です。その後はお口全体をバランスよく磨きましょう。
次に、「歯ブラシを大きく動かしていませんか?」という点です。
強く当てることよりも、横に大きくこするストロークがNCCLの原因になりやすいのです。毛先をしっかり当て、小さく細かく動かすことを意識しましょう。特に横磨きで削れが起こりやすいため、必要に応じて縦磨きを取り入れるのも効果的です。縦に動かしながら歯と歯の間を意識すると、歯周病予防にもつながります!
③食習慣の確認
炭酸飲料、柑橘類、お酢など酸性の食品を日常的に摂っていると、歯の表面がやわらかくなり削れやすくなります。また、少量でも「だらだら飲み」をしていると、お口の中が酸性の時間が長くなりリスクが高まります。
健康のために良かれと思って続けている習慣が、歯には負担になっていることもあります。酸性のものを摂取した後はすぐに強く磨かず、まずはお水でゆすぐことも大切です。
NCCLは単なる「削れ」ではなく、歯ぐきの状態、骨の形、力の影響、磨き方、食生活などが重なって起こります。だからこそ、原因を一つに決めつけず、様々な方向から見ることが重要です。早い段階で気づけば、大きな治療をせずに守れるケースも多くあります!
「しみるのは仕方ない」と我慢せず、気になる症状があればぜひご相談ください!
川手歯科医院では、患者さんに合わせたお口の状態に合わせたケア方法をご提案しています。
大切な歯を長く守るために、一緒に予防を続けていきましょう(^^)
執筆:歯科衛生士 笠原
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