唾液ってどんな働き?唾液とむし歯の関係性、口腔乾燥について
投稿日:2026年9月9日
カテゴリ:スタッフブログ
みなさんこんにちは!歯科衛生士の佐藤です★
みなさんは唾液の性質についてご存知ですか?
唾液はあまり綺麗なものではないと思われがちですが、実はさまざまな性質を持っていて、むし歯や歯周病からお口の中を守る重要な役割をしているんですよ!
今回は、唾液の作用や性質についてお話ししていきます。
唾液にはどんな働きがある?
唾液を分泌する唾液腺には、小唾液腺と大唾液腺があります。
大唾液腺には、耳下腺・顎下腺・舌下腺の3種類があります。
耳下腺からは水分の多いサラサラとした唾液、舌下腺からは粘り気のある唾液、顎下腺からはその両方の性質を持つ唾液が分泌されます。
唾液には、食べ物を飲み込みやすくしたり、細菌や食べかすを洗い流したりするなど、さまざまな働きがあります。
食べ物を飲み込みやすくなる
唾液が食べ物を潤すことで、食べ物がまとまりやすくなり、飲み込みやすくなります。
また、食べ物が粘膜に直接当たる刺激をやわらげる役割もあります。
逆に唾液が少ないと、食べ物がまとまりにくくなり、飲み込みにくくなることがあります。
口の中を洗い流してくれる
唾液には自浄作用があり、食べかすや細菌などを洗い流し、お口の中を清潔に保つ働きがあります。
唾液の量が少なくなると、この自浄作用が弱くなり、お口の中がネバつきやすくなります。
味を感じやすくなる
舌には味蕾と呼ばれる味を感じる器官があります。
食べ物の味の成分が唾液に溶けることで味蕾に届き、味を感じることができます。
そのため、唾液が少なくなると味を感じにくくなる場合があります。
唾液にはどんな作用がある?
唾液には、むし歯や歯周病のリスクを抑えたり、お口の中を清潔に保ったり、食べ物を食べやすくしたりするなど、さまざまな役割があります。
唾液がどのような働きをしているのか、詳しくお話ししていきます。
抗菌・免疫作用
唾液にはさまざまな抗菌成分が含まれており、細菌の増殖を抑える働きがあります。
そのため、唾液の分泌量が少なくなると、むし歯や歯周病などのリスクが高くなることがあります。
緩衝作用
食事をすると、お口の中は酸性に傾きます。
特に甘い食べ物や飲み物を摂取した後は、細菌が酸を作り出すことで歯が溶けやすい環境になります。
唾液には、この酸性に傾いたお口の中を中性に近づける「緩衝作用」があります。
唾液が少ないと、酸性の状態から戻るまでに時間がかかり、むし歯のリスクが高くなることがあります。
歯の再石灰化作用
お口の中が酸性に傾くと、歯の表面からカルシウムやリンなどの成分が溶け出す「脱灰」が起こります。
唾液にはカルシウムやリンなどが含まれており、それらを歯に戻す「再石灰化」を助ける働きがあります。
脱灰と再石灰化のバランスが崩れ、脱灰が続くとむし歯へと進行していきます。
歯の保護作用
唾液の成分によって、歯の表面には「ペリクル」と呼ばれる薄い膜が形成されます。
ペリクルは主にタンパク質からできており、歯の表面を酸などの刺激から保護する働きがあります。
粘膜保護作用
唾液はお口の粘膜を潤し、食べ物などによる刺激から守る働きがあります。
唾液が少なくなり粘膜が乾燥すると、ヒリヒリしたり傷つきやすくなったりすることがあります。
潤滑作用
唾液が食べ物を潤してまとまりやすくすることで、喉を通りやすくします。
また、お口の中の粘膜を潤すことで、会話や発声をスムーズにする役割もあります。
唾液が少なくなると、食べ物を飲み込みにくくなったり、むせやすくなったりすることがあります。
消化作用
唾液には「アミラーゼ」という消化酵素が含まれています。
アミラーゼには、食べ物に含まれるデンプンを分解し、消化を助ける働きがあります。
このように唾液は、食べ物を口に入れた段階から消化にも関わっています。
唾液とむし歯、歯周病にはどんな関係がある?
耳下腺で作られた唾液は、上の奥歯付近にある耳下腺乳頭から分泌されます。
また、顎下腺と舌下腺からの唾液は、舌の下にある部分からお口の中へ分泌されます。
そのため、下の前歯の裏側や上の奥歯の頬側などは唾液が流れやすい場所です。
唾液にはむし歯を防ぐ働きがありますが、一方で、プラークが残っている部分では唾液に含まれるカルシウムなどが沈着し、歯石ができやすくなることがあります。
特に下の前歯の裏側は歯石がつきやすい場所として知られています。
また、上の奥歯も耳下腺の出口に近いため、歯石がつくことがあります。
唾液には自浄作用がありますが、唾液だけでプラークを完全に取り除くことはできません。
特に奥歯や歯と歯の間などは汚れが残りやすいため、日々のブラッシングやフロス、歯間ブラシなどによる清掃がとても重要です。
また、口呼吸などによってお口の中が乾燥すると、唾液による自浄作用や緩衝作用が十分に働きにくくなり、むし歯のリスクが高くなることがあります。
普段からお口がぽかんと開いていないか、気づいた時にチェックしてみましょう。
予防歯科・歯科検診


唾液が減るとどうなる?
お口の中の唾液が減ると、口腔乾燥が起こることがあります。
口腔乾燥の原因はさまざまで、薬の影響や加齢、ストレス、口呼吸、全身疾患などが関係している場合があります。
唾液が少なくなると、むし歯や歯周病のリスクが高くなったり、口臭が出やすくなったり、舌や粘膜がヒリヒリしたり、食べ物を飲み込みにくくなったり、味を感じにくくなったりすることがあります。
ここからは、唾液の分泌を促すために今からできることを4つ紹介します。
水分補給をこまめに行う
お口が乾きやすい方は、一度に大量に飲むのではなく、こまめに水分をとることを意識しましょう。
必要な水分量には、年齢や体格、運動量、季節、全身状態などによって個人差があります。
唾液腺マッサージ
唾液腺の周囲をやさしく刺激することで、唾液の分泌を促すことができます。
耳の前から下あたりにある耳下腺や、あごの下にある顎下腺、舌下腺の周囲を指でやさしくマッサージします。
食事の前などに行うことで、唾液が出やすくなり、食べ物を飲み込みやすくなることがあります。
舌運動
舌を上下左右に動かしたり、口の中で大きく回したりする運動もおすすめです。
舌や口の周りを動かすことで唾液腺が刺激され、唾液の分泌を促すことができます。
よく噛んで食べましょう
よく噛むことで唾液腺が刺激され、唾液の分泌量が増えます。
普段の食事から、しっかり噛むことを意識してみましょう。

まとめ
唾液は、私たちのお口と身体を守るためにとても重要な働きをしています。
唾液が少なくなると、舌がヒリヒリしたり、味を感じにくくなったり、食べ物を飲み込みづらくなったりすることがあります。
お口の乾燥が気になる方は、こまめな水分補給や唾液腺マッサージ、よく噛んで食べることなどを意識してみましょう。
ただし、唾液には緩衝作用や自浄作用がありますが、唾液だけでお口の健康を維持することはできません。
毎日のブラッシングやフロス・歯間ブラシなどによるセルフケアと、歯科医院での定期的なメインテナンスを組み合わせて、お口の中を健康に保っていきましょう!
執筆:歯科衛生士 佐藤
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